微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

【経費の3つの性質】を理解し、正しい節税を

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■先日の記事の中で、

 
 『在庫』についての
 お話をさせていただきました。

 

 

muratax.com

 そこで述べさせていただいたのが、

 仕入や外注費など、

 【売上に直接関係してくる経費】

 については【原価】という分類がされる 
 ということ。

 

 そして、この原価については、
 売上との個別対応が必要となる

 というお話でした。

 

 要は、

 【売上と原価の項目は
 必ず紐付いていないといけない】

 ということなんですね。

 

 その工事現場の売上が上がっているのに、
 その現場分の外注費が上がっていない

 ということや、

 逆に売上が上がっていないのに、
 その現場分の外注費が上がっている

 ということはあってはならない
 ということ。

 

 そして一般的に言われる
 『経費』というものについては、

 この【原価】のほか、
 【費用】と【損失】という

 【大きく分けて3つの分類】

 がされることになります。


 
 そこで今日は、
 二つ目の分類項目である【費用】
 について見ていくことにいたします。

 


■復習になりますが、


 『原価』ついては
 売上との個別対応が必要とされる

 ということでした。

 

 では『費用』については
 どのような性質があるのでしょう。

 

 費用は、

 【その期間に対応していることが必要】

 となります。

 

 『期間』というのは
 【法人の事業年度】であり、

 【個人事業主の1月1日から12月31日】
 までの間を示します。

 

 この事業年度や1月から12月までの
 期間に対応するものしか
 経費にしてはだめだよ、

 というのが
 この費用の考えなんですね。

 

 よく、【経費】と【費用】という言葉が
 混同されて使われるのですが、

 【『経費』の中に
 『原価』・『費用』・『損失』
 の3つが含まれている】

 というお話なんですね。

 


■費用について具体的に言えば、


 例えば12月が決算の法人で、
 7月に2021年の7月から2022年の6月までの
 研修費用を前払いで120万円
 支払ったとしましょう。

 

 そうなると、
 実際にお金が出ているのは
 120万円なのですが、

 その対応する期間はと言えば、
 当期については
 『2021年の7月から12月』
 であるわけですので、

 

 残りの2022年の1月から6月については
 翌期の経費となる

 という考えが
 この『費用』の考えというわけです。

 

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 あくまでも、
 
 【その期間(事業年度)に対応するもの】

 のみを経費として考えていくということ。

 

 つまり、当期に 
 その研修費が経費になるのは
 2021年の7月から12月分に対応する
 60万円となり、

 

 残りの60万円は
 2022年の1月から6月までの
 翌期の経費となる

 というわけです。

 


■そして


 気を付けないといけないのが、
 上述した『原価』の考えについて。

 

 例えば、商品を仕入れた場合で考えると、
 仕入れたのは当期中なので、
 それは当期の期間の経費だろう
 ということで経費にしてしまう

 ということが多いのですが、

 これは原価と費用の性質を考えると
 【誤った考え】ということに。

 

 商品の仕入については
 【原価】となりますので、
 その商品が売れていないものに関しては
 仕入とはなり得ない

 というわけなんですね。

 

 節税で有名な、
 
 「30万円未満の備品を買って経費にする」
 
 というのは、
 この今回の【費用】についての分類の話。

 

 俗に言う『経費』というのは、
 この『費用』についての話をしている

 というのが大半です。

 


■今日は、


 経費の三大要素の一つである
 『費用』についてのお話をしていきました。

 

 本当にこの『原価』と『費用』については
 その性質を混同してしまいがちなので、
 重々注意が必要です。

 

 実際の支払いをする前に、

 【本当にその支出が
 当期の経費となるのかどうか】

 ということを、
 上述してきた原価と費用の性質と
 照らし合わせながら考えていくことが
 すごく重要ですね(^^)。

 


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《本日の微粒子企業の心構え》

 


・俗に言う経費は、
 【原価】と【費用】と【損失】
 の三つに大別されるものである
 ということを心得ておくべし。

 


・【原価は売上との個別対応】が、
  
 【費用はその期間との対応】が、

 経費とするにあたり重要となる。

 


・『原価』と『費用』については、
 その性質を混同しそうなものであるため、
 しっかりと注意をして、

 【その支出が本当に当期の経費と
 なり得るのかどうか】

 ということを考察して、
 適切な支払いをしていくべきであるもの
 と心得ておくおくべし。

 


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

 

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