【従業員のマイカー】を使ってもらう際に知っておきたいこと
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■「それは、給料明細のどの項目に
書いたらいいんでしょうか?」
スタッフを雇用するにあたり、
その業種によってはマイカーを利用して
業務に入ってもらう
ということも少なからずあるでしょう。
今回はそのマイカーを使う場合の
取り扱いについて。
これは案外見落としがちな内容ですので、
【従業員にマイカーを利用してもらう場合】
には、経営者としてしっかりと
把握しておきたいところです。
■こういった
マイカーを使用して
業務にあたってもらう場合は、
そのマイカーを使用する分の手当として、
『車両手当』などという名目をもって、
給料に上乗せをして支払う
ということが考えられますね。
しかしながら、
この『車両手当』としての支払いとなると、
【その従業員の所得税や住民税、
社会保険料が上乗せされてしまう】
ということになってしまいます。
社会保険料は労使折半ですので、
それを支払う側の法人においても
負担が増えてくることに。
■そして、
このマイカーに対する
手当てとしては、もう一つの選択肢が。
それは、その従業員とマイカーに関する
【車両賃貸借契約】
を結んで、会社からその従業員に
『車両の賃借料』として、
その車両手当を支払う
ということ。
当然その従業員側は
給料ではない賃貸料をもらうことに
なってきますので、その賃貸料は
【所得税や住民税の確定申告の対象】
となってきます。
しかしながら、
【その従業員が給料しかもらっていない
状況で、その他の所得がなく、
この車両の賃貸料の収入が
年間20万円以下であれば、
確定申告は不要となる】
ことに。
■さらに言えば、
その車両の賃貸料としての
収入に対しての必要経費も考えられ、
自動車税やガソリン代など、
そういった車両に関する支出は
経費として引くことができますので、
【この『20万円』は、そのような経費を
引いた後の金額となる】
ということになります。
とは言え、当然経費が無尽蔵に認められる
というものではなく、
【その業務に供した部分の金額だけが経費】
となるわけですね。
■そして正確に言えば、
【所得税は確定申告不要】
なのですが、
【住民税は申告が必要】
ですので、
そのことも併せて把握しておきましょう。
しかしながら、この『車両手当』を
給料として支払うよりも、
『車両の賃借料』として支払う方が、
会社にとっても従業員にとっても、
場合によってはメリットがありそうですよね。
■もう一点、
会社の方から見た有利な点としては、
この車両の賃借料として支払った経費は、
【消費税の(課税仕入れの)対象】
となってきます。したがって、
【売上から預かった消費税から、
この車両の賃借料に係る消費税を
マイナスして申告することができる】
ということになるんですね。
これは、従業員に対して賃借料を支払う際に
消費税を明示していようがしていまいが、
消費税法という法律の上では、
『税込』で支払ったということになり、
そこにかかっている(かかっているとみなされる)
消費税分を引いて、消費税の計算ができる
ということになるんです。
これはいわば
棚ぼた的なメリットかもしれませんね(^^)。
しかしながら、逆に
【車両手当として
給料として支払っている状況では、
消費税の控除は認められない】
ということになります。
■ということで今日は、
従業員の車両を業務で使用してもらう
場合にあたって注意すべき点について
書かせていただきました。
税務の解釈一つで、
その税負担も変わってきますので、
しっかりとこういった点を把握し、
有用な税務対策をしていくように
しましょう(^^)。
…ちなみに、冒頭に書いた問いの答えは、
給料であれば『車両手当』として
その支給項目に記載しますが、
賃借料として支払うのであれば、
そもそも給料ではないので、
給料明細には記載せず、
給料とは別に支払うことになります。
もちろん、その際は給料ではないので、
領収書もしっかりもらうようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・従業員に車両を使ってもらう場合には、
場合によっては『給料』
として支給するより、
【車両の賃借料】
として給与課税を避ける形で、
その手当を支給することが有用である
と言える。
・しかしながら、(ざっくりと言えば)
年間の給与所得以外の所得が
【20万円】を超える状況だとしたら、
それはこの車両賃貸料収入であっても
申告が必要なので、重々注意が必要である。
・こういったマイカーの使用をしてもらい
その料金を支払う際には、上述した
【給与にするか賃借料にするか】
ということを念頭において考えると、
その事業主側、従業員側ともに税負担が
大きく変わってくることも考えられるので、
重々注意してその選択をすべきである
と言える。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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