微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

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経費の三大要素・・・【損失】について

こんばんは。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■先日より


 【経費の性質として、
 経費は三つの要素からなっている】

 というお話をさせていただいています。

 

 その三つの要素とは、

 【原価・費用・損失】

 というもの。

 

 前回までは『原価』と『費用』
 について見てまいりましたので、

 今日は最後の『損失』について
 見ていくことにいたします。

 


■復習となるのですが、


 原価・費用・損失には
 それぞれの性格があります。

 まず『原価』は、
 
 【売上との個別対応が必要である】

 ということ。

 

 次に『費用』は、

 【その期間に対応している必要がある】

 ということ。

 

 そして今日のテーマとなる
 『損失』については、

 【発生の事実が生じている必要がある】

 ということ。


 
 これがそれぞれの性格となるわけですね。

 


■原価と費用については
 以前の記事を参考にしていただくとして…

 原価→

 

muratax.com

 

 費用→

muratax.com


 損失についての

 【発生の事実が生じている必要がある】

 とは、どういったことなのでしょう。

 

 それはつまり、

 【その損失が発生した時点に経費になる】

 ということ。

 

 具体的に言えば、
 原価と費用に分類されない
 いわば【損失】
 (そのままですが…(滝汗))

 が該当すると考えられ、

 

 株式の売却損失や、
 車両などの固定資産を
 売却したことによる損失、

 また、災害などの天変地異や
 場合によっては盗難などにより
 損をしてしまう

 ということもあり、
 その際の『損失』が該当します。

 

 要は

 【臨時的なもの】

 ですね(^^)。

 


■そして大切なのが、


 【上述したこれらの事実が
 発生した時点をもって経費にすべき】

 ということ。

 

 逆に言えば発生をしていないものは
 損失という経費として認識されない
 ことになるわけです。

 

 また、

 【その事実が発生した
 その事業年度中の時点で
 経費にすべきものである】

 という考えですので、

 【その事実が発生した事業年度に
 これを損失として経費化せずに、
 これを翌事業年度以降に
 損失として経費化することはできない】
 
 という考えになります。

 

 「前期損失処理をしなかったので、
 当期損失処理をしました…」

 ということは通じないんですね。

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■よくあるのが、


 【貸倒損失】。

 売掛金が計上されていたものの、
 相手との関係により、
 その回収が難しくなった…

 そのような事情で、損失処理を
 したいものの、
  
 損失になるという事実が発生した
 その事業年度に損失処理をして 
 これを経費にしないと、

 これより先の事業年度で
 経費にするのはNGになるということ。

 

 貸倒損失については、
 かなり論点が多いので、詳細は割愛しますが、

 いずれにせよ、
 損失が発生したその事実をもって、
 その時点で経費にするという考えに
 なるわけです。

 


■ということで、


 今日は経費の三大要素の最後である
 『損失』について見てまいりました。

 

 いわゆる『経費』については
 この三種類の性質がありますので、

 【それぞれの支出がどの分類に該当するか】

 ということを注意しながら、
 その経費処理をしっかりとしていくことが
 重要になります。

 

 捉え方一つによって、
 その納税額にも大きく影響しますので、
 本当に十分な注意が必要ですね。

 


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《本日の微粒子企業の心構え》

 


・経費には大きく三つの分類があるもの
 と心得ておくべし。

 


・『原価』については
 【売上との個別対応】、

 『費用』については
 【その期間に対応していること】、

 『損失』については
 【その事実が発生したこと】…

 このような認識で
 経費を処理することになるものである
 とのことを心得ておくべし。

 


・一言に『経費』といっても、
 上述した三分類になるため、

 【その支出しようとしている内容や
 経費処理しようとする内容が
 この三要素のどれにあたるのか】

 ということをしっかりと考え、
 正しい経費処理をしていきたいものである。

 


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

 

これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

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