法人成りに当たり気を付けたいお金のお話
こんばんは。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■よく仕事やプライベートで
お土産をいただくのですが、
そのお土産を家族でいただく際に
揉めごとになるのが、
その各自の配分について。
うちは5人家族ですので、
5つある場合は良いのですが、
これが3つや7つなど
人数できれいに割り切れない場合、
往々にしてトラブルの元となります。
こういった実践を通じて、
算数や割り算の概念をつかんでいく
ことができるのは
なかなか良いものですね(^^)。
そして、
お土産は自分のものではなく、
村田家全員のもの。
こういった実践(実戦!?)を交えながら
身に付く考えも貴重な学び。
…とは言え、全て子どもたちに
取り分けを任せるためか、
最後の最後は父の取り分が
なくなってしまうというのがオチ…(涙)。
■さて、
ここ最近の税務相談の中で、
個人事業主を法人にする
いわゆる『法人成り』を契機にして
税理士への依頼をしたい
というケースがよくあります。
個人事業主と法人について
顕著に違うことと言えば、
個人事業主はジャイアン的に、
【オレの金はオレのもの、
会社の金もオレのもの】
といった発想で良いのですが、
法人についてはそうもいかず、
【法人のお金と個人のお金は
しっかり区分けしていく必要がある】
ということになるんですね。
■そして、
法人成りの際に
注意しないといけないのが、
個人事業主の際にまだ残っている
『売掛金』や『未払金』などの
【債権債務】
について。
この債権や債務を法人に引き継ぐ場合、
上述したように、
【その引き継いだ瞬間に
法人の持ち物となるため、
これを個人の裁量で自由にはできない】
ということに。
法人に引き継ぐ資産や負債については、
多様な項目が考えられますが、
上述した売掛金や
未払金について言えば、
売掛金については
将来現金が入ってくるものなので、
【会社にとってはプラス】
となるもの。
逆に未払金に関しては、
将来会社がその債務を
支払わなければならないため、
【会社にとってはマイナス】
となるものですよね(^^)。
これを個人と絡めて考えると、
本来個人が持っていた
【お金をもらう権利】である売掛金
を会社に渡しているため、
会社にとっては、
その個人から売掛金を
引き渡してもらった
ということになり、
本来これは個人のものであるため、
【個人に返すべきもの】
という考えになるわけです。
■そして
未払金については、
本来個人で負担すべきものを
会社が負担することになるので、
【個人から返してもらうべきもの】
ということになるわけですね。
仮に売掛金が300万円あったとすると、
この300万円は本来個人事業主としての
個人がもらうべきもの。
しかしながらその300万円が
法人に入ったとすれば、
それは個人に返金すべきものである
と言えるわけです。
そして、『未払金』
(経費は出ているものの、
法人成りの時点では
支払いが終わっていないもの)
が500万円あったとしましょう。
すると、法人成り後、
法人としてその500万円を支払うとすれば、
それは本来個人が払うべきものである
ということから、
【その500万円分は
個人が法人にお金を返す必要がある】
というわけなんですね。
■そして、
法人成りの際に多いのが、
【上述した両者が混在している】
という状況。
つまり
【売掛金が300万円あり、
未払金が500万円ある】
という状況です。
この場合だと
債務である未払金の方が多いため、
500万円と300万円の差である200万円分、
本来個人で負担すべきものを
会社が負担する
ということになるため、
【個人が法人に
その200万円を返す必要がある】
ということになるわけですね。
■個人が法人に返すという際に、
決算書にどのように表示されるかと言えば
【役員貸付金】
という項目で表示されてきます。
つまり決算書の表示を見ると、
その役員…つまり代表者である個人が
法人に返すべきものが表示されている
ということになり、
視点を変えてみると、
【法人が個人に対して
200万円を貸している】
という状況が見て取れるわけです。
これは金融機関の評価にとっては
マイナス要素となり得るもの。
と言うのも、
本来法人にあるべき200万円が
個人に渡っている
というように見えるため、
金融機関が融資をしても、
この代表者にそのお金を自由に
使われるかもしれない
という懸念を持たれる
ということです。
■いろいろ述べてはきましたが、
法人成りにあたり、
【資産と負債の差額が
『役員貸付金』や逆に『役員借入金』
となって表れてくる】
ということはしっかりと
知っておくべきことである
と言えます。
そして、法人成りした場合
第一期目の決算においては特に、
この【役員貸付金】については
しっかりとキレイにしておきたいもの。
役員借入金については、
【個人が法人にお金を貸している状態】
ですので、
会社にとっては
マイナスではないですよね。
注意すべきは、
【役員貸付金】の方である
と言えます。
法人成りに際しては、
上述してきたようなことを
しっかりと念頭において、
適切なとした会計処理を
していくようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・法人成りにあたっては、
個人事業主から引き継いだ
資産と負債との差額が
【借入金】や【貸付金】として
表示されてくるものである。
・銀行の評価においては
【貸付金は相当なマイナス要素】
となることを心得ておくべし。
したがって、
【法人成りに際しての資産と負債は
しっかりと把握し、
その第一期目の決算書で
そういった項目を整理しておくこと】
は極めて重要であると言える。
・個人事業主の感覚と、法人の感覚とは、
ずいぶん上述してきたようなことで
異なるものであるため、
しっかりと
【法人の財布】と【個人の財布】
を区分けし、
明瞭な会計処理をしていくとともに、
その現金もしっかりと区分けしていくべき
であるものと心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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