微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

医療費控除のあるある

我が家は朝の時間がかなりピリピリ・・・

今日は次女を膝にのせてご飯を一緒に食べていると、急にドピューっとマーライオン・・・

f:id:everydayrunchange:20161130232745j:plain


異臭に長女も「オェぇーーっ!」と・・・危うくもらい〇〇・・・をしそうに。(ギリギリセーフ)
そんな突発的なことが起こると、分単位の戦場である我が家の朝の空気は一変。


子どもがご飯を食べている間に、歯を磨き、子どもがトイレに行っている間にさっとお風呂掃除・・・いろいろなことを考えます。
恐るべし、普段は発揮しない段取力です。いや、ホントに。

 

サラリーマンの方々は、もしかすると会社の総務などのピリピリした空気を感じている最中かもしれません。


ですよね?
そう、年末調整の時期です。


「こんなピリピリした空気でつまらないことを聞くと怖いな…」
などと思ってしまうことは多いもの。
そこで、今回は聞きたくても聞けない(?)医療費控除についてのお話です。

 

1.医療費控除って?
そもそも、医療費控除ってなんでしょう?
体の健康維持や病気からの回復のため、医療費は日常生活にどうしても必要なものですよね。
なのに、これをサラリーマンや個人事業主などの経費として認めないのはいかがなものか(!)といったとこで、ある程度高い医療費を払ったら経費として見てあげますよ、という規定です。

 

2.年末調整はどうやってやってもらうの?
医療費控除は年末調整ではやってもらえないのです。
大変ですよね…総務の人が従業員さんの領収書の集計をやっているところを想像してみてください。ただでさえ忙しい年末調整です。
考えただけでも恐ろしいです。恐らく総務には近づけません。


医療費控除は年末調整が終わったあとひっそりと確定申告により「自分で申告」します。
総務に聞いちゃダメなんです。火に油を注ぐことになってしまいます。

 

3.どの位戻ってくるの?
これもよくある質問。
まず言えるのは、扶養に入っている配偶者の方や親族の方はそもそも戻ってこないことが多いです。
扶養に入っているということは、そんなに収入(所得)がないということ。
ですので、そもそも税金を引かれていない(払ってない)わけなので、戻ってくるもの自体がないわけですね。

 

4.高い医療費を払ったら…って具体的には?
よく聞くのが「10万円を超えたら…」というお話ではないでしょうか。
その通りです。通常は10万円を超えたら医療費控除が使えます。


ただ、所得が少ない人は10万円以下でも対象となるケースがあります。
医療費控除には、「足切り額」があって、よく耳にする「10万円」というのはこの足切り額のこと。


本当のところの医療費控除の足切りは、
・10万円
・その人の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等×5%
のいずれか少ない方です。(足切りなので、少ない方が有利。)


???2番目のコトバが意味不明ですね(汗)
簡単に言うと、給与しか収入がない人であれば、年間約310万円の給与収入であれば、この200万円に収まります。
社会保険や源泉を引く前の総支給額が310万程度ということです。

310万以下であれば、10万より少ない金額が足切り額となり、有利になります。

 

5.実際に戻ってくるのは?
「よっしゃー!11万になった!10万超えたから11万経費じゃー!」
いえいえ、残念ながらそうではありません・・・
足切り額が10万の人のお話ですが、11万の医療費であれば、11万-10万=1万円。
この1万円が医療費控除の額となってきます。


「1万円戻ってくるー!」
いえいえ、残念ながらそうはいきません・・・
この1万円は経費となる金額。
実際に戻ってくる税金は、仮に所得税と住民税の合計で20%の税率だとしたら、
1万円×20%=2千円。
2千円しか(?)戻ってきません。


領収書の集計や医療費の明細を作る手間を考えたら、もしかするとコンビニでバイトでもした方がいいかもしれません(汗)
意外と戻ってこないんですね。これが現実です。

残念な結果ですね・・・

f:id:everydayrunchange:20161130233221p:plain

 

6.家族分もちゃんと上手に入れてますか?

この医療費控除。3.で書いたように扶養の親族など所得が低い人はそもそも医療費控除を使っても意味がありません。
宝くじは買わないと当たらないのと同じように、税金がそもそもかかってないから戻ってくるものもないわけです。


ここで頭を切り替えましょう。

f:id:everydayrunchange:20161130233514p:plain


例えば、妻の医療費が高額になっている。でも妻には所得が少なく、税金自体が出ない、という状況があったとしましょう。
こうであれば、妻の方で医療費控除を使う意味はないわけですね。
そういう時は、他の人で控除を受けましょう。


この医療費控除。生計が同一であれば、誰でも使えます。(扶養かどうかは関係ナシ!)
ですので、ご主人に税金がかかってくるとしたら、ご主人で医療費控除を使えばいいということ。

もう一つ。

仮に夫婦に加え、ご主人のお父さんも同居しているとしましょう。
このお父さん、かなりの資産家。
税金もかなりかかっています。
ここでこの医療費控除の凄いところなのですが、上で述べたように「生計が同一」であればオッケーです。
お父さんは一緒に生活をしているのでオッケーとなります。

 

サザエさんは専業主婦なので、医療費控除を使う意味がありません。
使うなら、マスオさんか波平さん。
さらに、マスオさんが使うならサザエさんはもちろん、波平さんや舟さん、ワカメちゃんやタラちゃん、カツオ(あえて呼び捨て)の分の医療費も医療費控除の対象にしちゃいます。
またさらに、仮に波平さんの方が所得が高いようであれば、波平さんで控除を受ける方がオトクですね。
所得税は所得が高いほど税率が高くなりますので、所得が高い人で医療費控除を使う方が戻りは多くなります。

サザエさんはマスオさんの財布を握ってそうなので、マスオさんで使うことになりそうな気もしますが・・・

 

7.病院までの交通費も医療費控除の対象!
ずいぶん長くなってしまったので、過去の記事も参考にしてください。

(↓参考記事↓)

everydayrunchange.hatenablog.com


交通費も医療費控除の対象となります。

 

ついでにもいっちょ。

(↓参考記事↓)

everydayrunchange.hatenablog.com

 

医療費控除はよく聞く話ですが、意外と正しく理解されていないものです。

しっかりした知識をもって、ガッツリしっかり税金を安くしちゃいましょう。

 

 

 

・・・明日の我が家の朝はどうか平穏でありますうように・・・