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医療費控除のオトクな情報です。

私は年に一度は必ず風邪をひいてしまいます。
特に確定申告が終わりホッと一息ついた時、ほぼ毎年のように風邪をひきます。

 

風邪をひく、なんらかの病気になる。
そんな時の突然の出費は本当に痛いもの。
今日は、そんな医療費のお話。よく聞く「医療費控除」についてお話をしていきましょう。

 

1.医療費がすべて戻ってくるわけではない。
まず、医療費控除というものについて簡単にご説明しましょう。
個人事業主であれば「事業所得」、サラリーマンであれば「給与所得」という所得(もうけ)が発生します。
個人事業主であれば、もしかすると業績が芳しくなく赤字になることで事業所得がマイナスになることがあるかもしれません。
この個人事業主の所得が事業所得しかなく、赤字だと税金はどうなるでしょう?
もちろん、所得税も住民税もかかってきませんね。課税するベースの金額がない(マイナス)のですから。
このような状態で医療費を払って医療費控除を受けようとしても、控除する金額もなく、所得税も住民税も発生しないのですから、当然のことながら医療費控除の恩恵はありません。


医療費控除で還付になる、という話は皆さんご存知でしょうが、「還付」されるのはあくまで税金が発生しているという前提があってのこと。
税金が発生していなければ、当然還付もありません。

 

2.10万円を超える医療費が対象となる?
もう一つ、よく聞くお話として医療費控除は、「10万円を超えて初めて対象となる」ということ。
これは合っているようで、場合によっては違うケースがあります。


医療費控除には足切りの金額があって、次の金額を超えなければ対象となりません。
①10万円
②総所得金額等の5%
のいずれか少ない方。

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世間一般で言われている「10万円」は、①のみに着目していることになります。
では、②の「総所得金額等」とはなんでしょう?
簡単に言うと、個人事業主であれば、「事業所得」の金額。
これは、売上から諸経費を引いた利益の金額ですね。
サラリーマンであれば、「給与所得」金額。
ここで注意していただきたいのは、給与所得というのは、給与の収入金額ではないということ。
給料収入から税務署が一律に決めている「給与所得控除(経費のようなもの)」を引いた利益にあたるのが「給与所得」の金額となります。
この事業所得または給与所得のことをざっくり「総所得金額等」と考えていただければ結構です。(ざっくりなので、一定の例外はあります。)

 

3.医療費控除の対象となるもの
医療費控除の対象となるものは、いろいろあるのですが、ここでは皆さんが結構見落とされている医療費控除の対象をお伝えします。
それはズバリ、「交通費」です。
交通費も医療費控除の対象なのです。
病院までの通院のための交通費ですね。
マイカーのガソリン代はダメです。
あくまでも公共の交通機関を利用して、病院に行った場合に認められます。
ただし、急病や動けない場合にタクシーを利用せざるを得ないケースもあることでしょう。
どうしようもない事情でタクシーを使用した場合、そのタクシー代も経費になります。
タクシー代は必ず領収書を取っておきましょう。
その他領収書が出ない交通費は、払った都度、ノートなどにメモを残しておきましょう。

 

いかがでしたでしょうか?
医療費控除自体は結構皆さんご存じなのですが、意外と知らなかった点もあったのではないでしょうか?
特に交通費などは、塵も積もれば山となるわけで、しっかりと医療費控除に入れておきたいものです。

 

・・・何はともあれ、まずは健康第一。
しっかり体調管理はしたいものですね。