あなたの事業、今本当に儲かっていますか?
「これが今の現金の残高です。」
・・・なんていうことを、税理士から言われたりしてませんか?
なぜ税理士から自分の会社の現金の残高を教えられないといけないのでしょうか?
心当たりがある方は少なからずいらっしゃると思います。
今日はそんな「現金」のお話。
個人事業主であれば、会社のお金は自分のお金です。
個人事業主の「個人」とは、事業者としての自分と、プライベートな側面を持つ自分という「自分すべて」のこと。
ですので、個人事業主の財布のお金は、その人自身の自由に使えるお金と考えることができます。
では、法人はどうでしょうか?
法人は、法の下の人。法律によって人格を与えられた存在です。
法人を作って事業をしていくとなると、法人という組織のもとの一個人として、活動をしていくことになります。
ここで得られた現金は誰ものでしょう?これは「法人のもの」ですね。
では、自分のお金がどのように生み出されるのでしょうか。
それは、法人から自分自身に支払う給料という形で、法人から個人に現金を移していくことになります。
つまり、法人で得たお金は、自分のお金ではないわけです。
・・・といった個人と法人の違いはあるものの、いずれにせよ税理士から最初の言葉を言われている状況があるとするならば、私は首をかしげてしまいます。
自分自身が、今会社にあるお金を把握できていないということですから。
確かに、個人事業主であれば、経理上は「事業主勘定」で自由な(?)処理ができ、法人であれば、「役員借入金」または「役員貸付金」という名目で現金を調整することができます。
なぜ、このように調整する必要が出てくるのでしょう?
それは、会社の財布を管理していないからに他なりません。
個人事業主であれ、法人であれ、事業としての財布を持つべきです。
これを個人の財布から何もかにもを支払っていくため、個人的な収支と会社の収支がごっちゃになり、事業としての現金がいくら残っていないかを知る術がない。
でも、経理上の現金がマイナスになったり、ありえない位の多額になってたりするとマズイ(常識的に見ておかしい)ので、記帳代行をしている税理士がおかしくない程度に現金を調整して、事業主に報告するという形になっているケースがすごく多いのです。
もちろん、税務上の損益はしっかり計算しています。
個人用のお金からであれ、事業用のお金からであれ、払っているという事実には変わりないわけですから、損益には問題ありません。
ただ、本当に事業で儲かっていて、実際に事業としての現金がいくら残っているかなどということは、全くわかりません。
俗にいう「どんぶり勘定」ですね。
現金の残高を把握しておくことはすごく大切なことです。
その前提がないと、今の現状はもちろん、未来のことも考えにくくなってしまいます。
現金を合わせることは事業の一環である、と私は考えます。
では、どのようにしましょう?
話は簡単で、「事業用の財布を作る」のです。
実際に、財布を買うのです。
その財布の中の現金が足りなくなったら個人の財布から補充し、そのことを経理上で記録を残す。
事業用の支出は、全てその財布から払う。
あとは、クレジットカードでの支払いも事業用と個人用にカードを分けることをお勧めします。
どうです?簡単ではないでしょうか?
でも、意外とこんなことを誰も教えてくれないし、実際にやろうとすると面倒になったりするものです。
私であれば、しっかりそのことができているか、税理士としてしっかり確認していきますね。
私は、現金を管理することが何よりの経営の成功の第一歩と考えていますので。
心当たりがあれば、ぜひ今この瞬間に事業用の財布を作りましょう。
そして、日々の収支を記録していきましょう。