微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

賃借物件の耐用年数はここに注意!

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■コロナの影響により、


 従来の店舗や事務所を手放して、
 場合によっては在宅勤務を開始するなど、

 【これまで使用していた賃借物件を手放す】

 というケースが
 少なからず見受けられます。

 そこで今回は、店舗や事務所などの
 賃貸借の契約をした場合における、
 いわゆる『減価償却』の取り扱いについて
 見ていくことにいたします。


■『減価償却』とはそもそも、


 10万円を超える資産について、
 その『10万円を超える』
 といういわば『高額な資産』については、

 その資産の効果が当期のみならず
 翌期以降に及ぶものと考え、
 その効果が及ぶ期間に渡って
 少しずつ経費化していく

 という考えをとっています。

 この少しずつ経費にするその経費を

 【減価償却費】

 というわけですね。

 そしてこの
 減価償却をする年数については、

 【国税庁が定めている耐用年数によること】

 とされているわけです。

 

【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数表


■では冒頭のお話に戻り、


 【賃借物件についての減価償却

 のお話を見ていくことにしましょう。

 賃借物件については
 自分の物件ではないので、

 当然それを借りているだけの状況では
 基本的に支出自体がないため、
 減価償却などということもないわけですが、

 場合によっては、現状のままだと
 その物件を使用できないため、
 内部的に工事をすることも
 考えられますよね。

 このように、
 他人の所有する物件に対して
 内装工事を施した場合は、

 【その内装工事も減価償却の対象】

 となってきます。

 内装工事については、

 ・クロスの張り替え
 ・電気工事
 ・給排水工事

 などという区分けがされるもの。

 場合によっては

 ・エアコンの取り付け
 ・トイレの設置

 などもあるかもしれません。

 上述した電気工事や
 給排水設備については

 【耐用年数が15年】

 と定められており、

 その他のエアコンなどの備品についても
 個別に耐用年数が定められています。

 

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■では、


 その他の内装工事についてはどうでしょう。

 原則として内装工事については、

 【その賃借している建物の
 耐用年数によって、
 その内装工事の耐用年数を考えていく】

 ことになります。

 これについては
 いろいろな論点があるため
 詳細は割愛させていただくのですが、

 今回取り上げたいのは、
 そもそもの契約が

 【定期借家契約】

 になっている場合について。

 定期借家契約とは、ざっくり言えば

 【契約期限が定められており、なおかつ、
 その期間が満了した後は
 その後の更新ができないもの】

 というものです。

 そしてこれに加え、

 【その内部造作などの買取の請求を
 することができない】

 という条件が揃うと、

 減価償却におけるその内装工事の
 耐用年数は、
  
 【定期借家契約の賃借期間】

 を用いることができる

 ということになります。


■ちなみに、


 鉄筋コンクリート
 事務所用のものであれば、
 通常『50年』という
 耐用年数を用いるのですが、

 これが定期借家契約により
 『5年』となっている状況で、

 なおかつ上述した
 買取の請求などをすることが
 できないものについては、

 【その賃借期間である
 5年を耐用年数とすることができる】

 というもの。

 この例では、耐用年数が

 【通常の10分の1】

 になりますので、
 短期間で減価償却ができる

 ということになるわけです。

 そもそも、賃借物件ですので、
 そこまで長期に渡ってずっと使用する

 ということは
 なかなか考えにくいものですよね。
 

 ■定期借家契約については、
 

 こういった耐用年数に関する特例
 がありますので、

 もし今後新規の物件などを借りる場合で、
 このような

 【定期借家契約】

 となっているものについては、

 耐用年数をしっかりと
 検討するようにしましょう(^^)。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・原則として、
 内部造作の耐用年数については、
 その賃借している建物の
 耐用年数によることとされているが
 (ただし例外もある)、

 【定期借家契約】のような契約で
 『賃借期間の定め』があり、

 なおかつ
 『その期間満了の際に
 更新ができないもの』であり、
 
 さらに
 『その内部造作などの買取請求を
 することができないもの』については、

 例外として
 【その賃借期間を耐用年数】
 とすることができる。


・内部造作に関しては、
 その支出も多額になるケースが多いため、
 しっかりと耐用年数を検討するべし。

 また、資金繰りの観点で考えると、

 【なるべく短い耐用年数で
 減価償却費を前倒しで計上し、
 税負担を少なくすること】

 が有用であるものと心得ておくべし。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

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よかったらご覧くださいませ。^^

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