微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

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法人設立にあたっての届出書について

こんばんは。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■「え…?青色申告ではないんですね…」


 ごく稀に、のことではありますが、
 新規で法人のお客様に
 関与させていただく際に、
 このようなことになるケースがあります。

 

 これは、

 『本来青色申告を選択すべきであったのが、
 書類の提出を失念してしまい
 白色申告になっている』

 という状況。

 

 『青色申告』と『白色申告』では、
 その享受できるメリットに
 大きな差が出てきますので、
 何としても注意したいところなんですよね。

 

 そこで今日は、
 『法人を設立する際に提出すべき届出書』
 について見ていくことにいたします。

 


■まず第一に、


 これは皆さんご存知かと思うのですが、

 【法人の設立届出書】

 を提出する必要があります。

 

 流れとしては、

 法務局にて定款の認証などが終わり、
 登記簿(履歴事項全部証明書)と定款を
 法務局より取得できたら、
 その定款を添付して
 法人の設立届出書を提出する

 という流れになります。

 

 

■次に、


 冒頭に述べさせていただいた、
 『青色申告』を選択するための

 【青色申告承認申請書】

 の提出が必要となります。

 

 これを採ることにより、
 『損失の繰越』ができたりだとか、

 本来10万円以上の備品の購入は
 全額経費にならない
 (減価償却の対象となる)のが、
 『30万円以上』に変わる…

 つまり、

 【30万円未満の備品などであれば
 全額経費処理が可能となる】

 といったことが挙げられます。

 

 そしてこれは、原則として

 【設立の日から3ヶ月以内】

 に提出する必要がありますので、
 本当に注意が必要です。

 


■そして次に、


 法人を設立して
 自らに『役員報酬』を支払うことに
 なるかと思いますので、

 【給与支払事務所の開設届出書】

 の提出が必要となります。

 

 これは、

 『法人として
 給与の支払いを開始しますよ』

 という届出書ですね。

 

 これ自体は正直そこまで
 重要性はないものなのですが、

 それに伴って最後の4番目である

 【源泉所得税の納期の特例に関する
 承認申請書】

 というものを提出する必要があります。

 

 これは、必ずしも提出しないといけない
 ものではありません。

 

 ただし、役員報酬を支払う際に
 法人がその役員に対して支給する
 役員報酬から源泉所得税を天引きする
 のですが、

 『その天引きした源泉所得税
 その月の翌月10日までに
 税務署に納付しなければならない』

 ということになっています。

 

 これを、この

 【納期の特例】

 という制度を使うことにより、

 1月から6月までに徴収した源泉所得税
 『7月10日』までに、
 7月から12月までに徴収した源泉所得税
 『1月20日』までに納付することができる

 ということになるんですね。

 

 一度に半年分の納税が出てくるので、
 資金繰りの面での心配はあるかも
 しれないのですが、

 毎月の事務処理の煩雑さを考えると、
 この半年に一度の納付で済む

 【源泉所得税の納期の特例】

 については選択しておいた方が良い
 と言えます。

 

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■というわけで、


 本日は法人設立にあたり
 提出すべき届出書について見ていきました。

 

 その他にも場合によって
 提出した方が良いものもあるのですが、
 大枠としてはこんなところです。

 

 そして、上述してきたものは
 税務署への提出書類なのですが、

 これに加え、
 法人の登記がされている
 『都道府県税事務所』と『市区町村』
 への届出も必要となります。

 

 法人設立の際はこれらの届出書を
 失念することなく届け出るように
 しましょう(^^)。

 


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《本日の微粒子企業の心構え》

 


・法人を設立した際は、
 【税務上のいろいろな届出が必要となる】
 ということを心得ておくべし。

 


・その中でも【青色申告】は
 なんとしても選択したいところ。

 

 青色申告により申告するメリットは
 多くあるため、
 そのメリットを享受すべく、
 忘れることなく 

 【青色申告の承認申請書の提出】

 をしたいものである。

 


・税務署の他にも、
 【都道府県税事務所】や
 【市区町村】にも提出が必要であるため、

 届出書の提出を失念することがないよう、
 細心の注意を払っていきたいものである。

 


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

 

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