微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

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迷いがちな【給料の源泉徴収】について

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■6月も後半に入り、


 いよいよ7月から
 今年も下半期がスタートですね。

 

 コロナなどで変化の多い状況下では、
 今年が始まってこれまでの間に、
 もしかすると従業員さんの入退職
 があっているかもしれません。

 

 そこで今回は、
 入社の際に注意しておきたい
 給料の『源泉徴収』のことについて
 お話を進めていきたいと思います。

 


■入社の際の源泉徴収については、


 どうしてもその思い込みにより
 誤った処理をしてしまいがち。

 

 原則として、

 

 【入社するパートさんや正社員さんの
 いずれでも、源泉徴収をすることが必要】


 
 となります。

 

 「原則として」と言うからには
 もちろん例外もあるわけで、

 源泉徴収をしない場合は、

 【他に勤務しているところがなく、
 自社のみから給料をもらっていて、

 なおかつその月の給料の金額が
 低額(88,000円未満)である場合】。

 

 逆を言えば、
 自社での勤務のみならず、
 他社で勤務している場合は、

 【たとえ低額であっても
 源泉徴収をしないといけない
 ケースがある】

 ということなんですね。


 (言い回しがややこしくゴメンナサイ…)

 


■ここで源泉徴収とは、


 【従業員が負担する所得税を、
 前もって会社が給料から天引きして
 本人の代わりに税務署に納付する】

 という仕組みです。

 

 もう少し詳しく見ていくことにします。


 
 その従業員の方がもらっている給料が
 自社のみであれば、
 年末調整の対象となり、金額に応じた
 所得税を給料から天引きしていきます。

 

 その際には必ず、

 

 【扶養控除等申告書】

 

 を記載してもらい
 提出するようにしましょう。

 

 これが扶養控除等申告書の様式になります。
 
 

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r3bun_01.pdf

 大変ありがたいことに、
 令和3年分からは

 【印鑑が不要】

 となっています(^^)。

 

 この『扶養控除等申告書』
 を提出していれば、

 本来の適正な【甲欄】という
 税額表の分類により源泉徴収
 することができることになります。

 

 逆に言えば、
 自社のみの給料であるのにもかかわらず、
 この『扶養控除等申告書』の提出が
 ない場合には、

 【乙欄】という税額表の区分で
 源泉徴収をすることになり、
 たとえ低額であっても
 源泉徴収をしなければならない

 ということになってしまうわけです。

 

 …なんとなくイメージがつくでしょうか(^^)。

 


■よくある勘違いとして、


 「パートやアルバイトについては、
 勤務日数が少なくて給料が低いから、
 所得税がかからないので、
 源泉徴収はしなくてもいいよね」

 

 ということで、
 扶養控除等申告書を書いてもらわずに、
 何も源泉徴収をしないケースが。

f:id:everydayrunchange:20210622103128j:plain

 

 結論としてこれは、
 
 【扶養控除等申告書の提出がないので、
 たとえ低額の給料であっても
 (年間で見て所得税がかからずとも)
 源泉徴収をすべき】

 

 ということになってしまい、

 万が一税務調査に入られた際は、
 その源泉徴収の漏れを指摘され、
 それに伴う罰金を支払う

 ということになってしまいます。

 

 したがって、
 自社のみの給料であれば、
 必ずこの『扶養控除等申告書』
 を記載してもらい、

 適正な金額をもって
 源泉徴収をするようにしましょう。

 

 また、他社でも勤務している場合で、
 その他社がメインの給料で、
 その他社に『扶養控除等申告書』を
 提出している場合は、

 

 自社に扶養控除等申告書を提出してもらう
 ことはできず、年末調整ができないため、

 

 上述した税額表では【乙欄】にて、
 たとえいくらであろうと
 源泉徴収をする必要が出てきます。

 

 こちらが、源泉徴収の際にその徴収する
 税額を調べる税額表。

 →

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2020/data/01-07.pdf

 一番右の【乙欄】を見ると、
 必ず税額が発生することがわかりますね(^^)。

 

 ちなみに、基本的に【甲欄】で
 源泉徴収をした人は年末調整をする人となり、

 【乙欄】で源泉徴収をした人は、
 年末調整をしない人となります。

 

 

■長く述べてはきましたが、


 これが源泉徴収の基本的な考え方。

 

 【扶養控除等申告書を
 記載しているかどうか】

 ということが
 最大の論点になるのですが、
 意外とこのことが知られていないため、

 

 もしあなたが
 従業員を雇われている場合で、
 上記のことに不安がある状況であれば、

 

 取り急ぎ上述してきたことを整備して、
 適正な源泉徴収をしていくように
 しましょう(^^)。


------------------

 

《本日の微粒子企業の心構え》


源泉徴収については、

 【扶養控除等申告書を
 提出しているかどうか】

 により、
 その源泉徴収をすべき税額が
 変わってくる。

 


・自社のみで勤務をしている場合、
 必ず【扶養控除等申告書】
 を提出してもらい、
 年末調整をすべきであるもの
 と心得ておくべし。

 


・他社で勤務している場合で、
 その他社がメインの給料となっており、
 その他社に扶養控除等申告書を
 提出している場合は、

 

 自社に扶養控除等申告書の提出はできず、
 また、年末調整もできず、
 低額であろうと源泉徴収をする必要が
 出てくる。

 


・したがって、入社の際には、
 上述したような状況を
 しっかりと確認して、

 その源泉徴収と年末調整を
 適正に行うべきであると言える。

 

 
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

 

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よかったらご覧くださいませ。^^

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