微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

【グレーな経費】…しっかり理解していますか?

【本日の活動】

・顧問先とのご面談2件

・明日のご面談準備

 

こんばんは。

福岡市中央区天神の【あなたの財布の見張り役】、

税理士の村田佑樹です。

福岡で税理士をお探しの方、会社設立をするなら村田佑樹税務会計事務所

 



■ここ最近、ご面談が相次ぎます。

 しっかりと準備をして有意義な時間を
 提供させていただくべく、
 準備を取り組んでまいります。

 さて、これまで税理士として
 200人を超える経営者の方々と
 関わらせていただいたのですが、

 経営者のタイプを税理士的な視点で
 見てみると、
 大きく2つに分かれるように思います。


■まず第一に、
 
 【超節税思考の経営者】。

 次に、

 【経営拡大志向の経営者】。

 簡単に言うと、

 前者はとにかく税金を払うことが
 ないように進めていきたいタイプ。

 一方後者は、多少税金を払っても、
 経営が拡大していく方向性を 
 選択していくタイプ。

 パッと読んでみて、
 あなたはどちらのタイプでしょうか。

 今回は前者のことをピックアップして
 お話を進めていきたいと思います。


■経営を拡大していくにあたっては、
 どうしても資金が必要。

 資金は経営においての血液である
 ということは以前の記事でも
 述べさせていただいたのですが、

 この資金を調達していく活動は
 経営を拡大していくにあたって
 必要不可欠と言えます。

 その手段の一つとして、
 金融機関からの融資を調達すること。

 そしてこの融資を調達するには、
 企業の信用力が必要。

 その信用力の源はというと、
 利益が出る体質であり、
 きちんと納税をしているかどうかという点
 であると言えます。

 とは言え、
 必ずしも資金が必要かといえば、
 そうでもないケースが。

 そのような場合、
 前者のような思考に入っていく
 というわけです。

 つまり、税金を払っても
 意味がないのだから、
 何とかして支払う税金を少なくしたい、
 という思考ですね。

 そのような気持ちは、
 私も経営者として税金を払う身で
 あるため痛いほどわかります。
 (ちなみに私は、経営拡大志向であるため、
 税金は上手に払っていきたいと
 考えている方です。)


■よくグレーの経費ということが
 問題視されるのですが、

 グレーの経費の定義を明確にして
 おかないと、
 誤った方向に進んでしまうことに。

 グレーの経費とはすなわち、

 【事業に必要な経費なのか、
 はたまたプライベートの経費なのか、
 その線引きが極めて難しいもの】

 というのが私なりの定義です。

 例えば、セミナーをするために
 スーツを新調した、
 といったことが挙げられるでしょう。

 スーツは仕事のために着るものですので、
 経費にしたいもの。

 とは言え、
 プライベートにおいてもスーツを着る
 ことがあるとすれば、
 これは判断に迷いますよね。

 (スーツに関しては、
 プライベートでも着ることができる
 という理由から、なかなか税務調査には
 通りにくいという実態がありますが…)


■一方、自分の家用に買ったテレビを、
 職場のテレビを買ったことにしよう!
 と考えたとしましょう。

 このケースはいかがでしょうか。

 前者と並べてみると明らかなのですが、
 これはグレーではなく

 【完全にブラック】

 ですよね。

 【法的にアウト】

 ということです。

 そう法律の視点から見てアウト…
 つまり、厳しい言い方をするならば、
 
 【脱法行為】
 
 になってしまうわけです。

 我々税理士にこのような相談を
 持ちかけられたとしても、
 全くもって首を縦に振ることができない
 ということ。

 考えてもみるとわかることなのですが、
 そもそも何のための税理士か
 ということですよね(汗)。

 ブラックなものを経費にして
 申告するのが税理士の仕事ではない
 
 のです。


■少し面白くない話なのですが、
 税理士の仕事と言えば、
 
 税務署と経営者の真ん中に立って、
 合法的に納める税金を少なくして
 差し上げるということ。

 (正確には、1円たりとも
 税金の納めすぎがあったり、
 税金の納め漏れがあったりしないように
 することです。)


■グレーの経費という定義が、
 経営者の中であいまいであるため、
 どうしても後者のようなブラックものを
 経費化しようとしてしまうことが
 少なからずあります。

 そもそも、完全にプライベートなものを
 事業の経費にしようとすること自体、

 理念を掲げて経営していこうとする
 経営者の立場からして、
 少し残念なように思ってしまいます。

 もし、スタッフや取引先に
 このようなことを知られたら
 どうでしょうか

 ということ。

 いくら崇高な経営理念を
 掲げていたとしても、
  
 やっていることがこのようなことで
 あったとするならば、

 周りからの冷たい視線は
 避けられないでしょう。

 そして、このことに対する
 後ろめたい気持ちはずっとつきまとい、
 
 こういったマイナスの要素は
 経営にとってもやはり良い方向に
 働かないもの。

 逆に、やるべきことをちゃんとやって
 正々堂々と申告をしている方が、

 経営の振り子もグン!と
 あるべき方向に動いていくことでしょう。

 

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■今日は少し厳しい内容に
 なってしまいましたが、

 グレーの経費というものが
 極めてあいまいあるため、
 ここに書かせていただきました。

 経費として認められる可能性があるのは、
 ブラックではなく、
 
 あくまでもこの記事で定義付けをした
 グレーの経費に限ってのこと。

 経営者として、たとえ支払う税金を
 少なく抑えようと思ったとしても、

 まずは法的にクリアしている状況に
 必ず持っていかないといけません。

 そして、あなたが

 『これはどうかな…』

 と思っているものは、
 
 税務調査官もきっと同じように
 感じるはず。

 今一度自らを俯瞰してみて、
 経費のあり方を考えてみるのも
 必要なことかもしれません。