お金、ちゃんと残せてますか!?お金の残し方のキホンをお伝えします。
今日は朝起きて妙に右手にしびれが・・・
ふと見ると、右腕に長女の頭。
血が止まってしまい、自分の腕じゃないような感覚。
指でピンッと軽くはじくと、除夜の鐘のような響きが手のひらまで響いてきます。
体はいたって元気。
でも、血の巡りが悪いとどうしても違和感がありますよね。
今日はそんなお話。会社の健康のお話です。
事業を運営していくためには、当然会社自体が健康でないといけません。
では、健康とはどんな状態でしょうか?
私の勝手なイメージですが、黒字が出ているような体質。これこそが健康でしょう。
ただ、健康であっても血液の流れがしっかりしてないといけません。
血液がドロドロで詰まっていたり、そもそも血液の量が少なかったりすると、大変なことですね。
では、事業を運営していく上での血液とはなんでしょう?
これはズバリ「お金」です。
いくら黒字であってもお金の流れがしっかりしていないと、動脈硬化や心臓病、その他大病に陥ってしまい会社はつぶれてしまいます。
お金がないのだから、当然と言えば当然ですね。
黒字が出ているのにお金がない?
疑問に思われるかもしれませんが、このような状況は多くあります。
会社における利益とお金の動きは必ずしも同じではありません。
事業をやっていくにあたって、多くの取引が起こります。
売上が上がり、仕入れをし、備品を買う。
この取引は一例ですが、具体的にそれぞれの取引について見ていきましょう。
1.売上が上がる
飲食店の売上といえば、お客様から食事代をいただくことですね。
これは現金での売上となるので、売上と現金の動きは同じです。
では、例えば請求書を発行して、料金は後払いでもらう場合だとどうでしょう?
この場合だと、売上は上がりますが、お金は入ってきませんね。(売掛金といいます)
2.仕入れをする
仕入れも同じく現金払いだと経費とお金は合うのですが、後払いだと仕入れ(経費)だけ上がり、お金は払いませんね。(買掛金といいます。)
3.備品を買う
備品を買う場合、10万円未満のものや使える期間が1年未満のものは経費となります。
ただ、使える期間が1年以上で10万円以上のものは減価償却資産として経費とはなりません。(一定の例外があります。)
この減価償却資産となったものは、減価償却費として払った金額を数年で経費化していきます。
そういうことですので、例えば、100万円の車を現金で買ったとしても、お金は100万円出るのですが、経費にはなっていないため、ここでも利益とお金に差が出ます。
このように、多くの事業上の取引において、会社の数字上の儲けと実際にあるお金に差異が出てくるわけです。
いわゆる「黒字倒産」というものは、例えば1.のように多くの売上が上がっているにも関わらず、実際にはお金が入ってきていない。
その一方で、売上が上がり利益も上がっているので、税金の計算対象には含まれてしまい、納税が発生してしまうわけです。
こういうことから考えると、会社が健康そうに見えても血液の流れが順調でないとマズイことがよくわかります。
この血液である資金の流れをしっかりと意識して、経営をしていかなければなりません。
利益が出て健康であることは見た目的には美しいのですが、まずはしっかりとお金をためて、そのお金をうまく流していかなければなりません。
こういうことから考えると、
1.の売掛金は少ない方がいいですね。入ってこないお金は最小限に。
逆に2.の買掛金は多い方がいいですね。払うお金は最小限に。
そして、売掛金があったとしても、例えば当月末締めで翌月末払いのものを、翌月5日払いにしてもらう。
逆に買掛金があったとしても、例えば当月末締めで翌月5日払いのものを、翌月末日払いにしてもらう。
このようにすると、資金ショートが起こる可能性を少なくすることができます。
また、「借金はなるべく早く返したい!」ということをよく耳にします。
確かに借りた金をすぐに返すことはすごく美しく聞こえるのですが、資金繰り(お金のあるべき流れ)としては危険な考えです。
せっかく借りることができたのだから、なるべく返さずに約定通りに返していくのが一番資金の流れ的にはいいわけです。
もちろん利息は払っていくのですが、これはちょっとした「保証料(保険?)」のように考えれば、納得できる気がしませんか?
会社の経営に用いられる数字として、損益計算書と貸借対照表というものがあります。
損益計算書は学校でいえば1学期が終わったあとの通知表のようなもの。
短期的な結果が表れてきます。
貸借対照表は、これまでの人生の積み重ね。
そこにはこれまでに培ってきた財産や債務が表されます。
そして、今日のお話で述べた資金のお話。
これはキャッシュフロー計算書というものでも表されますが、会社を経営していくにあたって、この資金の流れはまず第一に抑えておくべきです。
とにかくこの資金の流れが詰まってしまうと、経営はアウトです。
常に資金がどうなっているか、また、どうなっていくかにしっかりと着目して経営をしていきたいものですね。