微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

日本の仕組みから見る経済

昨年の秋にサンフランシスコに行ったことは
以前書きましたが、
サンフランシスコは
私にとっていろいろなことが衝撃的でした。

衝撃的というのは、
日本で生活していると、
日本の文化ではありえないことが、
サンフランシスコでは当たり前になされているというようなこと。

街中でスマホを操り、車を呼ぶ。
タクシーをインターネットで予約して呼んでいるのかな?
と思いきや、
よくよく聞いてみると、
タクシーではないとのこと。
ウーバーというこのシステム。
私たち一般の個人が、

同じく車を持っている一般の個人の人から
結構安い価格で目的地まで運んでもらえるというようなシステムです。

価格も自由に決めることができ、
運転手さんの評価もネットで公開される。
そして、驚きなのが、
運転手さんもお客さんをネットで評価できるとのことです。

お客さん→運転手さん
運転手さん→お客さん
の双方から、
「この人だったらOK!」
という意識のもとに、そのひと時の契約が成立するわけですね。
お互いにとって、合理的なことこの上ありません。

日本では、昔からタクシーの業界がこういう行為を規制していて、
なかなかウーバーのシステムの導入には程遠い状況です。

でも、考えてみると不思議ではないでしょうか?
ウーバーは

事業者と顧客のニーズが一致している、
まさにベストな状態。
それなのに、基本的に今の日本のタクシーは
価格は一方的に決められており、
タクシーの順番待ちで並ぼうものなら、
否応なしにタクシーに詰め込まれます。

我々、税理士の業界でも、
十数年前まで、「報酬規程」というものがあり、
この業務ならいくら、この規模ならいくら、
というように、報酬が自動的に決められているような仕組みがありました。
こういう状況では、税理士は差別化をはかれませんし、
納税者(顧客)も、どの税理士を選べばいいのかわからない状況でした。

でも、この報酬規程が取り払われた今、
税理士はそれぞれの個性を出して活躍しています。
差別化をはかれる一方で、
お客様からも選ばれるため、
お客様のニーズに応える形のサービスを一生懸命考える。
こうすることによって、お互い満足のいく形でビジネスが進められるわけですね。

 

タクシー業界、税理士業界…
その他にも、ある業界においては、
日本の(悪しき?)古くからの文化によって、
「当たり前」とされていることが多くあります。

この文化の特徴は、
国によって「在り方」が決められているので、
事業者は「殿様」、顧客は「家来」(とまでは、言い過ぎかもしれませんが…)
のような関係で、変な上下関係が生まれてしまいます。
そんな関係を私たちは嫌いますし、
できれば利用したくないものです。

こういったことが、経済が活性化することに、
歯止めをかけてしまっている、という事実をしっかり受け止めるべきです。

時代はくるくる変わっていきます。
日本経済がうまく回るためには、
国の仕組みもどんどん変えていく必要がある。

新しいことをしっかり取り入れていけるような、
そんな日本になってくれることを切に願います。