微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

役員報酬を税務署が知るタイミング

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。


※福岡においては、かなりの大雨で、
各地において避難警報などが発令されています。

お盆ではありますが、命を守ることが最優先です。

皆様がご無事でありますことを、
心よりお祈りしております。


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■「当期はかなり利益が上がりましたね。」


 法人の決算においては、
 当然のことながらその法人の利益に対して
 法人税などを支払っていくことになります。

 特に自分一人の法人であれば
 なおのことなのですが、

 【個人と法人の税負担などを考えて
 役員報酬を決定する】

 ということが一般的です。

 しかしながら

 【役員報酬は原則として
 年に一度しか変更することができない】

 というわけで、

 その設定した役員報酬に対して、
 想定外に『利益の増減』があった場合は、
 当初の目論見が誤っていた

 ということになり、そこで

 【個人と法人の税負担が崩れてしまう】

 ということが往々にして考えられる
 というものです。


■ただ、


 実際のところ、

 『役員報酬を設定していても、
 実際の資金繰りの問題により
 支払えていない』

 というケースが少なからずあります。

 そのような場合でもやはり
 役員報酬の変更ができないため、

 【いったん社長が会社にお金を入れて、
 そこから社長である自分自身に
 役員報酬を支払った】

 という経理をしていくことになります。


■では、


 役員報酬の変更ができないとは言うものの、
 どうやって、税務署がこの役員報酬の動きを
 知るのでしょうか。

 これは、

 【源泉所得税を納付するタイミング】

 で、税務署が初めてその役員報酬や給料を
 把握することになるわけですね。

 この源泉所得税を納付する際に、
 その段階で法人が役員に対して支払った
 『役員報酬』や『給料』を納付書に記載する
 ことになりますので、

 税務署はその金額を見て、
 役員報酬や給料の金額を
 把握することになる

 というわけです。

 
■そしてこの源泉所得税については、
 

 原則として『毎月10日』までに
 前月に徴収した源泉所得税
 納付することになります。

 しかし、常時いる従業員が
 10人未満の法人(個人事業主も)については、

 『半年に一度税務署に報告し納付する』

 ということで済みますので、

 そうなると税務署が
 この役員報酬や給料を把握するのは

 【半年に一度】

 ということになるわけですね。

 ただし、これは特例的な取り扱いであるため、
 事前に税務署への届出が必要となります。

 ※ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
 →https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/201601h268.pdf


■そしてもう一点が、


 年金事務所への届出について。

 法人が役員に対し
 役員報酬を支払う場合は一般的に、
 年金事務所にその役員報酬の月額を報告し、
 社会保険の申請をすることになります。

 これも証拠の一つとして残ってくる

 というわけです。

 

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■少しふわっとしたお話になりましたが、


 【上述したようなことを踏まえながら、
 役員報酬は慎重に決定すべきである】

 と言えます。

 役員報酬は、その事業年度開始の日から
 3ヶ月以内に決定して支払えば良いことに
 なっていますので、

 場合によっては、
 その最大限の猶予期間を利用し、

 当期の利益の状況を
 しっかりと予測した上で、
 慎重にその役員報酬を決めていくように
 しましょう。

 とは言え、
 正確に未来が分かるものでもないため、
 ある程度「えいやー!」で決めることも
 大事ではあります(汗)。

 節税ももちろん大事ですが、
 実際の生活費がいくら必要か、
 などという面からも考えることは
 もちろん重要ですね(^^)。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・【役員報酬は原則として
 年一度しか変更できない】
 
 ものであると心得ておくべし。


・税務署がその役員報酬の額を把握するのは、

 【源泉所得税を申告・納付するタイミング】

 であると言える。

 また年金事務所への届出についても、
 この裏付けになるということも考えられる。


・【役員報酬は原則として
 その事業年度開始の日から3ヶ月以内】

 に決定する必要があるため、

 その3ヶ月の猶予期間を最大限利用して
 当期の利益を試算してみるとともに、
 適切な役員報酬を支払うことができるよう
 心がけたいものである。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

 

これまで書いてきた記事は、
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よかったらご覧くださいませ。^^

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