微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

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消費税の判定において検討すべき事項

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■決算に際しては、


 『その決算日までに検討すべき事項』

 と、

 『その後申告までに可能であれば
 検討すべき(調整可能な)事項』

 ということに分けられます。

 

 今日は前者の
 決算日に検討すべき事項の一つとして、
 『消費税』のことについて
 見ていくことにいたします。

 


■消費税については、


 いろいろと以前の記事でも
 書かせていただいておりますが、
 今日は『簡易課税制度』のお話について。

 

 原則として、
 消費税の納税義務者となるのは、

 『前々期の課税売上高
 (消費税の対象となる売上高)が
 1千万円を超える事業者』

 となります。

 

 そしてもう一つ
 注意しないといけないのが、
 上述した

 【簡易課税制度】

 という計算方法。

 

 原則として消費税は、

 【売上から預かった消費税から、
 経費などの支払いの際に支払った
 消費税の差額を税務署に納付する】

 という仕組み。

 

 しかしながら、
 簡易課税制度については、

 【売上から預かる消費税は原則課税
 と同じく捉え、

 支払いに際しての消費税については、
 その事業者が営んでいる
 事業の種類に応じて、
 売上から預かった消費税に
 その業種ごとの割合を乗じて
 それを支払った消費税とみなす』

 という考えをとっています。

 

 例を挙げると、
 製造業であれば支払った消費税を
 70%と考えます。

 

 そうなると残りの30%部分を
 消費税として納付する

 ということになるわけです。

 

 売上から預かった
 消費税10%にこの30%を乗じた3%…

 つまり、
 
 【売上から預かった
 消費税の3%を税務署に納付する】

 これが簡易課税制度の仕組み。

 

 こちらの国税庁のリンクに、
 詳細が記載されています。


 

www.nta.go.jp

 

 そしてこの簡易課税
 
 【前々期の課税売上高が5千万円以下】
 
 である場合に限定して
 その方法の選択ができることに。

 

 要は読んで字のごとく、
 簡易課税はカンタンに、 


 
 ・小規模な事業者(課税売上が5千万円以下)
  については、

 ・支払った消費税はざっくりと計算していいよ

 

 という仕組みなんですね(^^)。

 

 支払った消費税は、 
 厳密に言えば

 

 【課税・非課税・不課税・輸出免税・・・】

 

 などに分類していく必要があるんです。


 …実は泡を吹くほど大変なのが、
 支払った消費税。

 

 もちろん売上の消費税も分類は必要ですが、
 大抵その営む業種も一定であるため、
 そこまで迷わないもの。

 


■そしてもう一つ
 注意しないといけないのが、


 【簡易課税制度を選択すると、
 原則として2年間は原則課税に
 戻すことができない】
 
 ということ。

 

 そして、簡易課税制度の選択は
 その課税期間(通常は事業年度と同じ)
 の末日までにする必要がありますので、

 仮に6月決算だと6月30日までに

 【『簡易課税制度選択届出書』
 という書類を税務署に提出】、

 

 【その後翌期と翌々期については
 簡易課税制度で計算することが
 強制される】

 

 というわけです。

 

 ちなみにこちらがその
 簡易課税制度選択届出書。
 

www.nta.go.jp

 もちろん、前々期の課税売上高が
 5千万円を超える課税期間については
 原則課税となるわけですが、

 本来はそういった考えになる
 ということですね。

 


■注意しないといけないのが、
 上述したように、
 

 【簡易課税は2年間継続して
 適用することが強制される】

 という点。

 

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 したがって、翌期においては
 簡易課税が有利であっても、

 翌々期については
 多額の経費の支払いがあったり、
 設備投資などをするといった理由から、
 原則課税が有利になるケースも
 考えられるわけで、

 

 翌期と翌々期をトータルして考えると、
 あえて翌期で簡易課税を選択して
 多く消費税を納め、
 
 翌々期は原則課税で
 ガツンと納付する消費税を少なくする。

 

 そのことにより、2期トータルの 
 消費税の負担は減っていく…

 

 そういった

 【翌々期のことまで念頭において
 その簡易課税の判定をすることが
 必要である】

 と言えます。

 


■消費税は、


 場合によっては
 その税額も多額になることから、

 しっかりといろいろなケースを想定しつつ、
 上述した

 

 【2年間の継続適用】

 

 などという縛りをもしっかりと考慮して、
 その判定を慎重に進めていきたい
 ものです。

 


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《本日の微粒子企業の心構え》

 


・決算期末までに検討すべき事項として、

 【翌期からの消費税を
 原則課税と簡易課税のいずれにするか】

 の判定が考えられる。

 


・消費税の計算方法は、
 その計算方法により計算しようとする
 課税期間の直前の課税期間の末日までに
 税務署にその申請をする必要がある。

 

 簡易課税制度の選択にあっては、
 しっかりと翌期からの消費税を考慮して
 その提出を慎重にすべきである。

 


簡易課税については

 【2年間継続適用】

 という縛りがあるため、
 
 【翌々期に原則が有利か簡易が有利か】

 ということもしっかりと念頭において、
 その計算方法の判断を的確にしていく
 べきである。

 


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

 

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よかったらご覧くださいませ。^^

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