微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

同じ「控除」でも?

昨日の続きです。

控除には「所得控除」「税額控除」の2つがあるというお話でしたね。

f:id:everydayrunchange:20161215052742j:plain

今日は具体的に、個人事業主を例に挙げて、2つの違いを見ていきたいと思います。
ここでは、年間の売上が1,000万で仕入が800万。(簡単にするため、その他の経費はないものとします。)
売上高 1,000万円
仕入高    800万円
利 益    200万円
という状況ですね。

 

1.所得控除の場合
ここでは基礎控除38万円のみがあるものとします。
基礎控除は全ての人に認められている経費です。)


すると、
利  益  200万円
基礎控除 ▲38万円
もうけ   162万円
となります。


仮にこの人の税率が30%だったとすると、
もうけ162万円×30%≒48万円。
48万円の納税となります。

 

2.税額控除の場合
上記の仮定で、住宅ローン控除が38万円あったとしましょう。
(便宜的に基礎控除が住宅ローン控除になったとします。基礎控除は誰にもありますが、ここでは無視!)


すると、
利益200万円×30%=60万円。
60万円の納税ですね。


でも、ここから住宅ローン控除を引いていきます。
60万円-38万円=22万円。
最終的に22万円の納税となります。

 

3.違いは?
所得控除では48万円の納税。
税額控除では22万円の納税。
同じ「控除」でも26万円の差が出てきました。
(税率が30%の人の場合の話ですね。)

 

4.要は?
税額控除の方が税金をダイレクトに減らしていくため、減税効果が大きいというわけです。
所得控除は経費に税率を乗じた分が減税ですね。
上の例で26万円の差が出ているので、違いは一目瞭然です。

 

所得控除と税額控除の違いについて見てきました。
所得控除は経費。
多い勘違いが、所得控除の分だけ税金が戻ってくるというもの。
例えば、医療費控除が38万円あれば、その38万円がまるまる戻ってくるという思い違いです。

 

いまさら聞けない「控除」のお話。
ぜひ周りの人にも教えてあげてください(!)