微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

賞与の支払とセットですべきこと。

 

6月から8月頃は、賞与の支払が多く出てくる時期ですね。
今日はそんな賞与のお話。


賞与についても、通常の給料と同じように、給与計算ソフトで簡単に計算することができます。
給与計算ソフトであれば、給料や賞与から天引きすべき健康保険料及び厚生年金保険料、雇用保険料、源泉所得税まで自動で計算してくれます。
本当に便利な時代になりました。

 

1.計算は合ってますか?
ただ、一点給与計算ソフトでご注意いただきたいのは、きちんと法改正に対応していますか?ということ。
健康保険料(介護保険料含む)や厚生年金保険料、雇用保険料や源泉所得税
これらは国が定めているものですが、時折改正が入り、率が変わったりしています。
この率の変更に給与計算ソフトが対応していないと、給料や賞与の計算自体に誤りが出てきますよね。
ご自身で給与計算をされる場合、現在の率にしっかり対応しているかをその都度慎重に確認していきたいものです。
特に、自分のことでなく、従業員という(あえていうなら)他人に関わることなので、特に神経質になっておくべきことですね。

 

2.毎月の給料から天引きされる厚生年金保険料
社会保険に加入されている従業員の方であれば、当然給料から健康保険料及び厚生年金保険料を天引されていきます。
特に厚生年金保険料は、従業員の方が将来受給することになる年金のベースとなる支払です。
ですので、従業員の方から天引きした厚生年金保険料は確実に年金事務所へ支払っていく必要がありますね。

通常の給料であれば、定期的に定時決定随時改定という手続きを通じて、健康保険料及び厚生年金保険料が決定し、その決まった等級による金額が自動的に給料から天引きされます。

つまり、給料に少々変動があったとしても、その都度天引きする金額を変える必要はないわけです。

 

3.賞与から引く社会保険料

では、通常の給料の他に賞与があった場合の社会保険料(健康保険料及び厚生年金保険料)はどのように計算するのでしょうか?

賞与の場合は、通常の給料とは異なり、賞与の金額自体に現在の料率を乗じて社会保険料を計算していきます。

賞与を支払う事業主側は賞与の金額が分かるためその賞与から厚生年金保険料天引きすることができますが、当然のことながら、その天引きした厚生年金保険料を年金事務所に払う必要も出てきます。

 

4.賞与の支払いがあった場合は年金事務所に届出を

しかしながら、年金事務所側は、賞与の支払いがあったかどうかなどを知る術がありません。毎回納付する厚生年金保険料は、年金事務所からの通知により払っていくことになるのですが、そもそもその年金事務所が賞与の金額を知らないため、通知のしようがないわけですね。

そこで、賞与を支払った場合は、年金事務所にこの金額の賞与の支払いをしましたよという届出をしなければ、年金事務所はそのことを把握できません。

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そういう事情がありますので、賞与を支払ったら、必ず年金事務所に届出をしましょう。

 

賞与に関しての年金事務所への届出は、結構忘れがちです。

事業主側が従業員から一方的に厚生年金保険料を預かったまま、払っていない状態。

従業員側からすれば、事業主が厚生年金保険料を年金事務所に払っていないため、将来受け取ることができる年金が減少してしまいます。

 

見落としがちな届出ですが、本当に大事な手続きです。

くれぐれもお忘れなきように。