18時に帰りましょう!
「みんなでプライベートを共有すれば」
「ねぇ、この本読んでみてー」
妻より差し出された1冊の本。
そのタイトルは、
【18時に帰る】。
「いや、ムリムリ!18時に帰れんし!」
と、声にならない声を上げ、慌ててその場を去ったあの日。
あれからどのくらい経ったのだろう?
沈む夕日をいくつ数えただろう?
その時は、タイトル自体に尻込みをしてしまったのですが、とあるきっかけで本を読んでみることに。
・・・結果として、読んでみて本当によかった(!)
やはり妻の言うことは、しっかり聞くべきですよー(!!)
オランダでの仕事の仕方やスタンスを説いている書籍なのですが、なかなか学ぶことの多かった本でした。
そんなこんなで、昨日はその【18時に帰る】のシェア会。
この書籍を読んだ人同士が、意見を交換する場があり、早速参加させていただきました。
1.【18時に帰る】の意味
オランダでは、国の中でこの18時に帰るという習慣が、国民の思考に根付いています。
この18時に帰るということは、『18時には帰宅して、家族との時間を過ごせる状態』であることを意味するようです。
2.タイトルからの印象
上に書いたように、当初このタイトルを見たときは、全身が凍りつきました。
『いやいや、ムリやし…』
ただ、この無理という感情は、自分の思い込みに過ぎなかったわけです。
3.他の人の話を聞いてわかった仕事の現状
シェア会の中では、いろいろな人の現在の仕事の状況を聞くができました。
《従業員が10人以下規模の会社》
参加されていた女性のひとりは、『子連れ出勤のお試し期間』を設けている会社で働いているとのことでした。
社内では、一歳の子を膝に置いてデスクワークをする女性。
また、トータルの勤務時間が変わらなければ、昼休みを長く取ったり、始業と終業の時間を延ばしたり遅らせたりして、ある程度自由に調整ができるとのことでした。
《ある程度大規模な病院での看護師さん》
規模が大きな病院ということもあり、正社員でありつつも時短勤務。
また、その時短勤務の中でも出勤時間や退社時間が他の看護師さんとの相談のもと、ある程度自由がきくようになっている。
といった話を聞くことができました。
いかがでしょうか?
このことを受けて、次の2つのことに気がつきました。
4.融通がきいている会社は?
非常に興味深いのは、上記2つのお仕事が、
一方は小規模な会社、もう一方はある程度大規模な会社
であるということ。
会社自体が置かれている状況が違うはずなのに、同じ状況が取れているというのは、どういった理由からなのでしょうか。
① 経営者の理解がある会社
上記の小規模な会社の経営者のお話を聞くと、もともとその方の趣味のバンドで知り合った方であるとのこと。
そうなると、当然のことながら、趣味への理解はある。
さらにありがたいことに、その経営者自身にお子様がいらっしゃって、子育ての大変さを理解している、ということが背景にあるようです。
② 国に締め付けられる大企業
次に、上記の看護師さんの例では、ある程度大きな病院に勤務されているとのことでした。
上場企業など、ある程度規模が大きな会社になると、就業規則の整備や有給、残業など、勤務について外部からの厳しい視線が注がれます。
このことで、ある意味自動的に、有給や残業のことなど、従業員にとって有利な条件が備わっている、と言えるのではないでしょうか。
5.大企業の問題点
このように、大企業では【強制的に】有給などの制度が整備されている現状があります。
今回のシェア会の中で挙がった話として、『日本人はマイナスからスタートするような風習がある』
ということがありました。
要は、仕方なく制度化している、ということ。
このようにマイナスからスタートすると、いざ有給を取ろうとしても、なかなか周りの理解が得られないという現状が多くあるようです。
マイナスからスタートするというのは、いわば【対症療法】。
(かつて、世間知らずの私が妻の下着を乾燥機にかけて激怒されたこと。)
これから求められるのは、対症療法でなく【予防法】・・・つまり、あらかじめこのような不具合が起こらないように社内を整備していく、
(下着を乾燥機にかける前に、世間知らずの私に妻が前もって「いい?下着は乾燥機にかけちゃだめなのよぉ♡」と予め釘を刺しておく、というようなこと。)
という考えが極めて重要なわけです。
6.会社が変わっていかなければ!
理屈はよくわかりました。
ただ、どうやって変えていけばいいのでしょう?
このことについても議論がされたのですが、結局のところ、従業員がそれぞれプライベートな情報までもある程度共有し合う、ということが大切なのではないでしょうか。
具体的な例として、
Googleカレンダーで社内の全従業員のプライベートを含めたスケジュールを共有しあう。
プライベートの予定が入っている部分に関しては、従業員同士でその情報を共有し合い、お互いのプライベートを尊重し合うような社風であれば、みんなが遠慮なくプライベートのために仕事を早く切り上げたり、有給を利用したり…ということが可能になるはず。
我が家でも、クラウドのカレンダーを共有しています。
最近、【大分・ダンス】との予定が急に書きこまれていることを知り、妻がクリスマスあたりに大分でダンスを披露するということをそのカレンダーを通じて知りました。
(☝イメージ画像です。爆)
いったい誰が喜ぶのでしょう。
・・・いえいえ、とっても嬉しいことです。クリスマスプレゼントにまぁ妻の舞いが見れることなんて・・・(滝汗)
7.一歩踏み出す!
最後には、このシェア会を受けて、具体的にどのような一方踏み出すか?ということを意見し合いました。
私自身、仕事柄経営者の方と多くお会いします。
その中で、経営者の方とお話しして分かるのが、【この会社は儲かっているだろうな】ということ。
何を基準に、そのようなことを言っているかというと(偉そうにすみません♡)、
その経営者が、
・思いやりがある
・謙虚である
・柔軟である
というようなことが見えると、今までの経験則からいって、その会社は成功している可能性が高いように思います。
① 思いやりがある
これは、社内の従業員や取引先に対してはもちろんのこと、コンビニの店員さんや、配送業者さんに対しても温かく接している様子が見えるようなことです。
↓↓そう、いつかのクリーニング屋さんに対しても♡(汗)↓↓
everydayrunchange.hatenablog.com
② 謙虚である、柔軟である
経営者ともなると、自分自身がトップであるので、誰も注意してくれる人がおらず、視野が極めて狭くなりがち。
これは自分でコントロールすることが難しく、外部からのチェックがないとどんどん視野が狭まってきます。
私自身も、そのことを確信しているため、積極的に、特に異業種の経営者との交流を通じて、自分を戒めています。
特に、こちらからお願いしなくても、妻からはバシバシとお尻を叩かれる(油汗)
無言のプレッシャーに勝るものなし♡です・・・
結局のところ、従業員に対する思いやりがなかったり、従業員からの提案を受け入れなかったり、そもそも従業員がそのような提案を出来るような経営者の雰囲気でないとしたら、
従業員はその会社から離れてしまいますよね・・・
そんな状況を、その経営者は
「最近のヤツらは根性がない!」
「給料泥棒が!」
などと、声を荒らげます。
往々にして、そういった経営者は、その時の気分次第で態度が変わります。
『この人につく従業員はたまったもんじゃないだろうなぁ…』と思わざるをえません。
従業員が会社から離れるとどうなるでしょうか?
当然のことながら、会社の重要な戦力が社内から消えていくわけなので、利益が減ってきます。
そのことで、経営者はさらにイライラ。
我々税理士に対しても、当たってきます。
(まぁ、なんとも思いませんが(余裕アリアリ♪))
その経営者のイライラが、その家族にも伝播し、最終的には家族関係がバラバラになってしまうことも。
悲しいことですね・・・
成功している会社の多くは、経営者が周りの人に対してかなり思いやりを持って接しているケースが極めて多いのです。
もちろん、叱ったりすることはあるでしょう。
当然、それも教育なので必要なこと。
ただ、その根底に相手を想いやる愛があれば、そのことを叱られた当人も感じることでしょう。
結局のところ、周りの人と対話して、上手にコミニケーションをとることが何より重要。
everydayrunchange.hatenablog.com
ただ、従業員の地位にある人が、自分の会社の経営者や上司にこういったことを意見するのはどうしても難しいでしょう。
そうなると、
私が税理士として、経営者の方にこういった話を積極的にしていくことが、少しずつでも悪しき習慣を変えていくことにつながるのではないか
と、思っているところです。
かなり貴重な学びの場をいただいて、心より感謝です。
と言いながら、日曜の朝に仕事している自分に喝を入れなければなりませぬよ・・・
早く帰らねば!(滝汗)