微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

海外へ出発!そこには税金のワナが・・・

今でもよく覚えているのですが・・・中学生の頃の話。

 

友達と一緒に、いつもとは違う人通りの少ない公園を通りぬけ、学校まで近道を。
我が町は地元では有名な治安の悪さ。
ご多分にもれず、私たちもハマってしまいました。


「ちょー待てや!」


全身から魂が抜けていくかのような感覚。
木刀を持ったり、なにやらリーゼントのやんちゃなお兄ちゃんたちに絡まれました。
少し蹴られましたが、お金を持っていなかったので、30分程の軟禁の末に解放・・・

通学路は人目に触れる安全地帯を通るべき。
そんなことを骨身に染みて感じた日でした。

 

さて、税金の安全地帯と言えばタックスヘイブン
今日は海外関係の税金のお話をしていきたいと思います。

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1.タックスヘイブンとは?
「税金天国」ではありません。
天国は「HEAVEN」。
タックスヘイブンのヘイブンは「HAVEN」。
日本語にすると租税回避地という意味です。

 

 

2.タックスヘイブンの税金は?
租税回避地というぐらいですので、タックスヘイブンでは税金が極めて安いか、かかりません。

 

 

3.値上がりしたらタックスヘイブンに逃げ込めば・・・
日本で買った株で、利益が上がっているものがあったとしたら、タックスヘイブンに持ち込んで売ることにより税金払わなくていいのでは?


・・・おっしゃる通りです。
従来はそんなことができていたのです。


でも、今は法律が追い付いてきました。
それが、「国外転出時課税制度」というもの。

 

 

4.タックスヘイブンに逃げられなくなった
この国外転出時課税制度。
簡単にいうと、
「利益を海外に持って逃げても税金払ってもらうよ」
という制度です。
日本に住んでいた人が海外に出ようとするとき、有価証券などの含み益に所得税をかけます、というもの。

 

 

5.適用を受ける人は?
この制度の適用対象となるのは・・・


 ① 有価証券やFX、信用取引などの時価の合計額が1億円以上となる資産を持っている
 ② 海外に出る10年前までに日本にいた期間が5年超あった
 ③ ①と②のいずれにも該当する人が、「国外転出」をした


この①~③のすべてに当たる人が課税の対象になります。

 

 

6.国外転出って?
読んで字のごとくで、国外に出ること。
・・・はもちろんなのですが、国外に住む人に贈与した場合、同じく国外に住む人に相続された場合なども含まれます。
要は、資産が海外に流れた時点できっちり税金を払ってもらいますよ、ということですね。

 


悪意(?)があって国外に行こうとも、上記の要件に該当してしまえば、原則として所得税の申告納付をしなければなりません。
ただ、救済として、「納税猶予」という税金の支払いを延ばしてもらえたり、帰国したときに所得税の課税をなかったものなどの状態にしてくれる「更正の請求」という手続きを踏むことができます。


いずれにせよ、海外に出る資産家はこのことをしっかり頭に入れておきたいものです。

 


公園での軟禁から1週間後・・・
今度は繁華街で同じような経験を・・・

 

 

学習能力なしであった中学生の甘く苦い思ひ出。