微粒子企業の身の丈ご機嫌ビジネス

【毎日配信】税理士の視点から見る経営や税務のことを書かせていただいています(^^)

売上の計上でソンしていませんか?

 

個人事業でも法人でも、売上から諸経費を差し引いた利益に対して、法人税所得税の税金が課されます。
今日は、そもそも売上とはどういうタイミングで計上すべきものなのか?ということをお話したいと思います。

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1.原則は引き渡した日
ここでは商品販売業とサービス業についてみていきます。
商品販売における売上を計上すべきタイミングは、原則として「商品の引き渡しのあった日」です。

 

2.引き渡した日って・・・?
では、引き渡しのあった日というのはどういう状況を指すのでしょう?
「そりゃあ、もらった日でしょ!」と早合点するのはお待ちください。
法律の世界では、一般に当たり前と考えられている言葉が、法律の世界独特のことを表していることがよくあります。
サービス業では、基本的にサービスが完了した日

・・・例えば、受講料の収入であれば、実際に講座が終わった日ですね。

では、商品販売ではどうでしょう?
主に3つのものを取り上げてみます。

 

3.具体的な収益計上時期の捉え方について


①出荷基準
読んで字のごとく、自社が商品を「出荷した日」をもって売上計上日とする考え方です。
自社が出荷したら売上計上!簡単ですね。


②納品基準
これは、相手方に納品された日をもって売上計上日とする考え方です。
この場合、納品書に相手が受領したという確認印をもらうなど、一手間必要です。


検収基準
モノを買ってそれが使えないようでは大変なことですよね。
モノを売った相手(買い手)は、そのモノがキチンと使えるかどうかチェックすることがあります。
このチェックする行為を「検収」といいます。
この検収された日をもって売上計上日とすることもできます。

 

4.一番税金支払を先延ばしできるのは?
通常①→②→③の流れで、取引が行われることでしょう。
すると、やはり最後の③を売上計上日とするのが、最も売上計上するのを先送りすることができます。
ただ、②と③は相手の了承を得ないといけない点で共通しており、少し面倒ですね。
現実的には①の出荷基準かなというところでしょう。
そして、先延ばししても翌期には追い付いてきますので、この恩恵を受けるのは基本的に最初の期だけとなります。

 

5.コロコロ変えてはいけません。
この売上計上日の基準。
決めて、また変えて・・・とやっちゃうと利益操作と見られかねません。
しっかりと最初に検討して、一度決めたら同じ方法を貫いて下さいね。

 

以上、売上を上げるタイミングについてのお話でした。
自社の業態に合わせた方法を採りたいものですね。