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法人設立の届出でソンしないために・・・

 

法人の設立にあたっては、かなり多くの手続きが必要となります。
印鑑、定款の作成、登記・・・
種々の法人設立の手続きを経たのちに、諸官公庁に書類の提出が必要となってきます。
ここではその書類の提出について、知っておくべきポイントを解説させていただきます。

 

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【税務署への届出】
1.法人設立届出書
 法人を作りました、という税務署への報告です。
 これは設立登記の日から2月以内に届出が必要となります。

2.青色申告の承認申請書
 これは、個人事業主と同じく、3度のごはんよりまず先に提出してしまいましょう。
 個人事業主とは少し特典の内容が異なりますので、そのことについて触れたいと思います。
 その前に、青色申告による特典を受けようとする場合、個人の場合と同じく当然にしっかりとした帳簿を作っていかなければなりません。
 ただ、会計ソフト等を使用して帳簿を作っていけば、自然とキレイな帳簿が仕上がってきますので、そこまで気負いする必要はありません。
(1)青色欠損金の繰越控除
 その事業年度で損失が出た場合、その損失を9年間繰り越すことができます。
 個人事業では3年間でしたので、大きいですね。
 特に初年度などは立ち上げの時期であり、設備投資やいろんな経費がかさみます。
 仮に初年度で300万円の損失が出て、翌期に1,000万円の利益が出たとしましょう。
 すると、初年度は損失なので当然に税金はゼロ(均等割という税金は利益が出なくても7,8万程かかってきます)、翌期は1,000万円の利益ですが、前期の赤字300万円と相殺され、税金の対象は700万円。
 この浮いた300万に対する税金は、法人税等の税率が30%と仮定すると、300万円×30%=90万円。大きいですね。
 (2)欠損金の繰り戻し還付
 前期黒字で法人税等を払っていたものの、当期に赤字が出てしまった場合、当期の赤字の割合分だけ前期払った法人税を還付してもらえます。
 ただし、この規定は(1)の欠損金の繰越の規定と選択適用となります。
 (3)固定資産の特別償却及び特別控除
 一定の固定資産を買った場合、初年度に減価償却を上乗せ(「特別償却」といいます。)してもらえます。
 または固定資産の取得価額に応じて、一定の金額をその期に支払うべき法人税から減額(「特別控除」といいます。)してもらえます。
 (4)少額減価償却資産の経費算入
 個人事業のところでも述べたことと同じ規定になります。
 30万円未満の固定資産を購入しても、1年間で合計300万円未満であれば経費として落とすことができます。
 こちらもご参照ください↓。

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 この青色申告提出期限にご注意ください。
 設立した事業年度の場合は、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までが提出期限となります。
 例を挙げると、
 
Ⅰ.平成28年4月1日設立で3月31日決算の場合・・・
 ① 設立の日以後3月を経過した日 → 平成28年7月1日。
 ② 当該事業年度終了の日 → 平成29年3月31日。
 → ①の方が早いため、7月1日の前日である、平成28年6月30日が提出期限となります。
 
Ⅱ.平成28年4月1日設立で5月31日決算の場合・・・
 ① 設立の日以後3月を経過した日 → 平成28年7月1日。
 ② 当該事業年度終了の日 → 平成28年5月31日。
 → ②の方が早いため、5月31日の前日である、平成28年5月30日が提出期限となります。

 Ⅱは特に注意が必要です。
 税法独特の言い回しにより、月末の5月31日ではなく、その前日の5月30日が提出期限となってきます。

3.給与支払事務所等の開設届出書

4.源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書

3と4については、個人事業で説明済みのため、こちらをご参照ください↓。

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5.棚卸資産の評価方法の届出書
 棚卸資産(在庫)の評価方法を届け出ることができます。
 この届出書は任意ですが、場合によっては評価額を低くすることにより節税することができるケースがありますので、ご検討下さい。

6.減価償却資産の償却方法の届出書
 これも5と同じく任意の届出ですが、場合によっては原則として定められている償却方法より節税につながるケースもあります。

  5と6は、設立期についてはその設立期の確定申告期限日が提出期限となります。
例えば、3月末決算法人の場合、その2ヶ月後が確定申告期限となりますので、5月31日が提出期限となります。

 

都道府県への届出】

税務署と同じく、法人の設立届が必要となります。
都道府県によって様式が異なりますので、都道府県庁のHP等でご確認下さい。

 

【市区町村への届出】

こちらは個人事業には原則なかったものですが、法人の場合都道府県と同じく、
法人の設立届が必要となります。
法人には、法人市民税という地方税がかかってまいりますので、そのためにこの届出が必要なのです。

 

以上、法人の届出についてでした。

とにかく税務署に提出する青色申告の承認申請がとりわけ重要です。
法人の場合、個人より節税効果が大きく変わることが多いですので、最寄りの税理士にご相談されることをお勧めします。